【新人研修】M・Kさん:バーキャビネット③ (YOK)

前回 木工製作が終わり、今回は塗装から一気に仕上がりまでをお届けしたいと思います!

それでは一旦、塗装前の写真をもう一度見てみましょう。


こちら、前回のブログにも掲載しましたが、内側の写真です。

そして、扉を閉じた状態の写真を載せ忘れていたことにブログを書きながら気づいたので、本邦初公開の正面からの写真です(笑)


どうでしょうか!
前回のブログ写真では写っていなかった取手もお目見えし、一気に家具としてその存在感を発揮してきました!笑

そして この時点で、シンプルながら丁寧に作られたことを感じる家具に仕上がっているのが分かります。

「丁寧に作られている」と感じることができるのはどうしてなのでしょうか?
その答えは、下の両開きの扉にあるのですが… 拡大して見てみましょう。


その秘密は、この扉と扉の間(隙間)の幅が均等で、尚且つ 上の上開き扉と並行に取り付けられているのにお気づきでしょうか?!

実はこれ、一から家具を作る作業としては、なかなか難しいことなのです。

しかも今回は小さめの家具であるがゆえに、すこしでもズレてしまうと簡単にそのズレが目立ってしまい、完成度が低下してしまいます。

新入社員のM・ Kさんは木工製作初心者。
慣れないインパクトドライバーを使ってビス留めするのも大変だったと思います。

そのため、このビシッとまっすぐに現れた隙間のラインは、丁寧に作られた証拠なのです!


それでは、このようにして作られた家具をここから塗装していきます。

図面を確認すると、「染色」仕上げで、色味の基準を「日塗工/L17-30F」としています。

ちなみに日塗工の「(L)17-30F」は、このような色味です。


木の素地よりも濃い色味で、より重厚な雰囲気が出そうな予感です!


ここで、塗装作業の風景写真を載せたいところでしたが、こちらの研修スケージュール把握不足により掲載できる写真を撮ることができませんでした…。
誠に申し訳ありません…



そのため、ドン!と完成写真を載せてしまいましょう!!こちらです!!


塗装前と比べると、まるで別の家具のようにも思えてしまうほど、高級感が増しましたね!

「染色」なので、木目を残して着色しつつ、光沢感のある「ツヤあり」のクリア塗装を最後に施して仕上げていきました。

金色の取手とマッチした木の色味も、ベストな選択であるように思います!


塗装が終わった後は、グラスを引っ掛けるレール(扉が開いている上部の右上に見えます)も取り付けられ、お気に入りのお酒もぴったり収まる「バーキャビネット」が完成しました。

お酒のデザインも映える、シンプルな形がとてもおしゃれです。


【本人のコメント】

塗装は思った以上に工程が多く、完成させるまでに工程管理が重要だと思いました。

また、 コツをつかむことに苦戦し、ムラになってしまったり、吹付が甘かったりとうまくいきませんでした。

他の作品や塗装の手伝いをさせていただくうちにだんだんと慣れてきて感覚を掴むことができ、次に何をするべきかがわかってきたので順調に塗装をすることができました。 

他にも作った作品が大きめの家具を染色で仕上げるというものだったので、間に合うか心配 でしたが、無事終えられてよかったです。


この「塗装は思った以上に工程が多く」の部分を勝手に補足しますと、塗装前に行う“やすり”作業は思っている以上に腕の筋肉を使いますし、染色作業は深い色味を出そうとすると何度も同じ作業を繰り返したりと、実は結構大変だったりします。

けれど、繰り返しになってしまうのですが、この塗装作業が仕上がりの印象を大きく変えるため、(どの作業もそうなのですが)より丁寧さを必要とされる仕事でもあるのです。

モノづくりに俗にいう“簡単な仕事”はありませんが、苦労したり頑張って完成させた時の喜びは、他と比べ物にならない感動になることと思います。


【研修を終えての本人の感想】

DIYは自分が使うものだから自分がいいと思えばそれで良いとある程度妥協したり、失敗の跡が見える手作りっぽさが味なのかと思います。今までは何事もDIYの範疇で止まっていましたが、この研修を通して、DIYではなく商品を作るということに気づけたと思います。

研修中、自分の家具を製作する傍らで仕事のお手伝いをさせていただきましたが、多少のミ スも全て自分ではなく、会社、クライアントへ迷惑をかけてしまう。責任感が問われるもの だと感じました。自分が満足するのではなく、クライアントが満足するクオリティでなけれ ばならない。そう言った認識を養うことができたと思います。

図面を描いたことがなかった私が作りたい家具を見つけて、図面を描き、木工で作りあげ、 塗装し、安全協力会で発表する。初めての経験だらけの中、無事完成できたことが本当によ かったです。


3ヶ月という決して短くない研修期間ですが、その間に各部署での仕事をしっかりと体験することで「これからこの会社で働くんだな」という実感が持てるのではないでしょうか。

また、この家具研修で制作した家具は、弊社の“安全協力会”というこれからお世話になる協力会社の方々が来社される集会にて、新入社員の紹介もかねて発表します。

集会後の懇親会では他の会社の方、例えば金物屋さんやガラス業者の方々から、その業界目線でのご意見をいただけたり、思ってもみなかったアイディアのご提案をもらったりすることもできるのです…!

「作って終わり」にしないところも、弊社の特性があらわれているのではないかと思います。


研修が終わり、めきめき現場での仕事を覚えている最中ではあると思いますが、研修期間に感じた責任感を忘れず、これからも頑張ってほしいと思います!

お疲れ様でした!!