【新人研修】R・Yさん:テレビ台③ (YOK)

R・Yさんの「テレビ台」レポート、ここから塗装をかけて一気に仕上げていきます!


今回の仕上げはクリア塗装メインなので簡単に終わるのでは…?と思った方もいるかもしれませんが、実はクリア塗装と一口に言っても一筋縄に行かないのです…!

まずは はみ出してしまった糊の跡や、汚れ、細かい傷を目の細かいヤスリで取り除きます。

一度クリア塗装をかけてしまうと、塗膜の中にそれらを閉じ込めてしまうことになり、ずっと汚れが取れないまま残ってしまいます。

それらを防ぐために、まずは表面を綺麗にします。

この時、目の細かいヤスリを使用することで、木の表面も滑らかになります。
そしてその滑らかさは塗装後の仕上がりにも大きく関わってくるので丁寧に仕上げます。

木板の表面は一見トゲもなくツルッとしているようですが、とても細かいささくれのようなものがあり、そのままクリア塗装をかけると乾いた時にザラザラとした手触りになってしまうのです。

そのため、塗装をかける前のヤスリがけは欠かしてはならない大切な作業です。
(写真がないのですが、すごい労力でヤスリがけをしたのだと思われます…!笑)


そして、ヤスリがけを終えたら使用する塗料を作ります。

扉の持ち手部分のポイントカラーは色品番表をもとに調色します。

そして、色をつける部分以外を養生で覆い、ガンスプレーで塗装していきます。


そして全体を仕上げるクリア塗装です。

近年クリア塗装にも様々な種類の塗料が流通しており、水性のものや、ウレタン、フッ素系など用途や材質によって選択することができます。

今回は「CL(クリアラッカー)」と呼ばれる 木工家具によく使われるものを使用します。
「CL」は速乾性が高く、値段も安価なので重ね付けに躊躇する必要もほとんどありません。

塗料の材質が決まったら、次に重要になってくるのは、ずばり「ツヤ」です。

カラー塗装の場合ももちろんツヤの指定をするのですが、このツヤの指定によって仕上がりの印象がガラッと変わります。

「ツヤなし」とした場合、見た目は木の素地そのままのようになります。

「3分(さんぶ)ツヤ」「半ヤ」がメジャーどころでよく使われます。
「全ツヤ」という物が反射するほどのピカピカの仕上げもあり、とても高級感が出る仕上げもあるのですが、実は使用しているうちに付く指紋が目立ったりしてあまり使われません。

今回R・Yさんは「ツヤなし」で仕上げました。

木の素材感を残しつつ、クリア塗装を施したおかげで木目もはっきりと現れ、とても綺麗に仕上がりました。


【本人コメント】

塗装研修は約1週間行いました。
メイン家具のテレビ台はクリア塗装プラス部分的に色を付けました。
綺麗に塗る為に何度も塗料を塗ったり、凹凸をなくす為にヤスリで削ったりと思ったよりも工程が多くて大変な仕事だと実感しました。
初めはうまく塗ることが出来ず、まばらになってしまいましたが、ご指導があったお陰で段々と上手くいっているのが実感出来ました。
理想のツヤのある見た目に仕上がってとても満足しています。


そして完成した「テレビ台」がこちら!



雑誌も立てかけることができ、テレビのサイズ感ともマッチした仕上がりで素晴らしいです!

こうして実際に使っている写真を見ると、作った甲斐があったなとより感じるのではないでしょうか?

これから仕事も忙しくなってくるとは思いますが、テレビを見ながらリラックスする時間も必要かなと思います。

今回製作した家具がそんな時間の手助けになっていれば幸いです。

引き続きこれからも頑張ってください!