【新人研修】R・Yさん:テレビ台② (YOK)

製作レポート、R・Yさんのレポート続編です。

今回は、前回完成させた「テレビ台」の図面を元に木工製作を進めます。
まずは板を必要な寸法にカットし組み立てていきます。


この家具のデザインポイントとなっている “ すのこ ” も板から制作していきます。


「すのこ」ですが、100円均一のショップでも取り扱っているほどメジャーなものですが、「すのこ」の正体はご存知ですか?

その歴史は古く、平安時代に成立した寝殿造の中にも存在しています。

母屋(もや)と呼ばれる家本体から飛び出した庇(ひさし)から、さらに外に造られた縁側部分に用いられているのがこの “ すのこ ” であり、その部分をそのまま【簀の子縁】と呼びます。

通気性の優れているため、湿度の高い日本の気候と相性がよく、押入の中やベッドの底板など現在でも様々な場所に使われています。

 “ すのこ ” は漢字で「簀の子」と書き、簀(す/さく)は「竹やアシを並べて編んだもの」という意味で、 “ すだれ ” の “ す ” もこの文字です。

簀の子】は、「木材や竹材を一定の間隔で角材の上に直角に打ち付けたもの(wikipedia)」とのことで、木材が並んでいることを指しているようです。


ということで、例に倣い木板を均等なサイズに板を切り出し、それらを等間隔で並べ、
糊(木工用ボンド)や釘で軸となる角材に固定します。


遠目からの写真を拡大した写真ですが、綺麗に組み上がっているのがわかります!


そして、あっという間にすのこ以外の部分も続々と組み上がってきました笑


この写真はカットした木板をビス留めし、糊を乾燥させつつ、木板同士を固定している状態です。

ほとんどの木工家具や什器はビスで止める前に接着面に糊付けをして、固定の強度を高めています。

糊が固まれば、重たいものを乗せてもビクともしない強固な本体が出来上がります。


糊が固まった後は、小口処理を行い切りっぱなしの小口を隠します。


小口(こぐち)とは、木板の断面のことを言います。


無垢材や積層ベニヤなどは小口をそのまま見せても綺麗に仕上がるのですが、今回本体に使用しているのは「ラワンランバーコア」という合板材のため、小口に様々な木材の層が見えてしまいます。

小口処理を行うことで木目が統一され、家具全体を美しく仕上げることができます。

小口処理を終え、すのこ戸を取り付けた写真です。

上の写真と見比べてみると、完成度の差が一目瞭然かと思います!

収納スペースもたっぷり取れた立派なテレビ台の形が見えてきましたね!


【本人コメント】

木工研修は約2週間させて頂きました。

木工研修は全てが初めての体験で自分に出来るのか不安でしたが、職人さん達が分からないことを一から教えて下さった為、安心して制作出来ました。

職人さんと相談しながら自分の理想の家具が出来上がっていくのがとても楽しかったです。

メインの家具以外にも幾つか家具を制作することが出来て良い経験になりました。


弊社の職人は厳しいことを言うこともありますが、わからないことがあれば確実に教えてくれますし、あらゆる技術で理想を現実にしてくれます。

また、研修期間が長く取られているので、多くの新入社員が課題以外にも自分の作りたい家具を作っているようです。

職人たちと相談したりものを一緒に作っていくことで、職人の豊富な知識と経験で家具のアイディアも広がったのではないでしょうか?

それでは次回、組み上がった家具を塗装で仕上げます!