製作レポート②としまして、T・Kさんのレポート続編です。
前回、自分の欲しい家具として「キッチン棚」と作ることに決めたT・Kさん。
それでは早速 図面をもとに、スタジオ(工場)で早速製作していきます!
弊社の自社工場=スタジオでは「木工」の造作物を主に製作しています。
棚や陳列ケースなどの什器から建具まで、様々な製作物に対応可能な大型工場です。
新入社員はデスクワークだけでなく、この工場でも研修を行うのは弊社の新入社員研修の特徴です。
スタジオには木材を加工するための機材が所狭しと設置されています。
それゆえに常に危険と隣り合わせ。そのため、新入社員は必ずスタジオの職人たちと一緒に製作します。
図面をもとに適切な寸法に木材をカット、そしてそれぞれをビスで組み合わせていきます。
本体が組み上がりこのようになりました。
本体部分は染色仕上げとしているので、木目が綺麗に出る木材を使いました。
特にフレーム部分は「ナラ」を使用しました。昨今では「オーク」という言い方の方が馴染み深いでしょうか?
実際は日本のナラ=ジャパニーズオークと、海外産のオークは全く同じものではないのですが、見た目はほどんど変わりません。
また、フレーム上部のこの部分に注目してみましょう。
このシワのような木目は「虎斑(とらふ)」と呼ばれ、ナラやブナ材にみられる特徴です。
一見 傷のようにも見え、木材が傷んでいるのでは?と思うかもしれませんが、実はむしろその逆なんです…!
この部分は木の養分を貯蔵する役割があった部分であるため、木が健康であった証拠となるのです。そのため「虎斑が多いナラは良い」と言われています。
塗装が乗りにくいとった難点はあるものの、木材としては良いモノである証なので惜しみなく使っていきます。
【本人コメント】
木工研修では職人の方が常に付いて助けていただいたので、大きな苦労や怪我もなく制作することができました。
とはいえ家具を自分で制作するのも初めてだったので、速乾のりの分量や小口シールのカットの仕方、ビス止めなど難しく大変だった点もありました。
実際に図面を書いた家具を自分の手で完成させた際は、達成感と嬉しさを感じました。
写真には写っていませんが、引出し部分は表面にベニヤを貼り付けたりと様々な工程があり、それらの作業も難しかったようです。
また、製作しているものが家庭用のサイズが小さめの家具のため、細かい作業もあったのかなと思います。
個人的にはフレームのナラ材の角が綺麗にやすって仕上げられているところに“丁寧な仕事”を感じました。
ー 神は細部に宿る ーと言いますが、手間を惜しまないその姿勢から生まれてくるのかなと思いました。
それでは次回、塗装からの仕上がりのお披露目です!